戦法名と起源主張って?その4
前回jotcut-jshakki.hatenablog.com
の続き
2.ソフトが指した手の判断
Floodgateなどでソフトが指した手が新手であると持ち上げる風潮は電王戦以降顕著になったように感じるが、このソフト崇拝が行き過ぎた結果、今回の様な事例が起きてしまった様に思える。
このソフトがこう指したからこの手はいい手だ、と考えるのは、このプロ棋士の先生がこう指したからこの手はいい手だ、と考える延長に過ぎない。
ソフトの推奨指し手や評価値が探索パラメタや検討設定によって簡単に変わってしまうことは、ソフトを使う上で頭の片隅においておいた方がいいだろう。
(当ブログ最初の記事で言及している動画はその辺に詳しい。非公開だったが復活しているので、視聴推奨)jotcut-jshakki.hatenablog.com
また、将棋ソフトによる序盤の創造性が声高に叫ばれた昨年度は、当時圧倒的な実力を誇っていたPonanza(SDT4)が定跡不要派に属していて、将棋ウォーズで2016Ponaが暴れまわっていたことも少しは関係あるだろう。
現在では、将棋ソフトの序盤はガバガバであることが将棋ソフトの定跡を研究しているまふ氏によって示されており、WCSC27では定跡ハメによる時間攻めもあってelmoがPonanza Chainerに勝利したことも記憶に新しい
従って、遥かに読みと大局観が我々より上である将棋ソフトであっても、全面的な信頼をするのは考えものだ
(例えば、現在のKPPT型評価関数では、超急戦周りの評価は怪しいようで、ちょっと進めてみると反省する)
将棋ソフトに使われるのではなく、将棋ソフトを使う人が増えてくれることを願う。
その他参考ツイート
ソフトが雁木(というより、67銀47銀)を以前から好んでいて、棋士も採用しつつありますが、以前からずっと指している人はいて、その将棋をソフト関連と思われるのは好ましくない。先日の順位戦の将棋は神崎八段の快心譜です。
— Shota Chida (@mizumon_) 2017年6月9日
例えソフトを使って検討していても、
— shogi-strategy (@shogi_strategy) 2017年8月7日
向き合うのは評価値じゃなくて将棋そのものだろ、という、
当たり前の原則をユキさんが研究姿勢で無言で示していて、
「こりゃ研究会のサイト作りは大変だなぁ」と思ったのは事実。
信玄流△5一玉もポナンザ流とか間違った認識をもたれてましたからね。ポナが24の棋譜学習から拾ってるという経緯を無視するなって話。
— タップダイス (@Taps_dies) 2017年8月6日
動画と電子書籍で覆したけど、ゴリ押しなんですよね。
少し考えてたんですけど、恐らく過去の変遷を「知らない」人達ばかりなんだろうなと。だからこれまで指さないで、「ソフトが指してる」って理由で喧伝したり流されるのだと。
— はねじまP (@hanezimayoshimi) 2017年8月6日
「知らない事、裏付けのない事は言及しない」という物事の基本を見失っている感があります。
ponanzaの初手3八金、別にponanzaでさえ良いと思ってなさそうで、ランダムで適当に打ちました感すごい手だと思ってるんだけど、なんか凄く評価してる人が結構いてもやっとする
— chokudai(高橋 直大) (@chokudai) 2017年4月1日