1.2くらいから考える将棋ブログ

わかった気になるも、よくわからないことを考えていく?

dlshogiで検討するときのTipsを説明してみた。

 前の記事でdlshogiを動かせる状況になったが、検討するにはちょっとしたコツがあったので、忘れないように書いておく

やねうら王をよく使う人がdlshogiを使う際に躓いたところなので、やねうら王系ユーザーには参考になるかも?

jotcut-jshakki.hatenablog.com

 

0.(自分だけ?)

新しいバージョンのdlshogi用の環境をセットアップすると、前のバージョンのdlshogiが動かなくなる。

これは人によるのかもしれませんが、私のパソコンでは、新しいdlshogi用にCUDAやcuDNNやTensorRTをいろいろ設定すると、それまで動いていた直前バージョンのdlshogiが初期化エラーで動かなくなります。

多分いろいろPathとか設定したせいなんでしょうが、正直よくわかりません。

今のところ新しいバージョンの方が使い勝手がよくなっているので、そこまで大きな影響はありませんが、なんででしょうかね。

 

1.MultiPV未対応

現時点の配布実行ファイルはMultiPVに対応していない。GUI側でMultiPVを指定しても特に意味がない。

一応プルリクが出ているので、次の実行ファイルでは対応しているかも?(MultiPV対応しても、やねうら王などのそれとは挙動も意味合いもことなるが)

multipvの実装 by qhapaq-49 · Pull Request #20 · TadaoYamaoka/DeepLearningShogi · GitHub

 

2.無限検討はできない

やねうら王などでは、意味があるかは別として無制限に検討ができた。

一方dlshogiでは探索の仕様が根本的に違う関係で、予め決められたメモリ・ノード数に達すると探索は自動的に停止する。

そのため、例えば寝る前に検討をかけて朝起きて確認するなどの方法だと途中で探索が終了していて勿体無く感じるかもしれない。

見方を変えれば、dlshogi的にそれ以上検討しても無駄だということであり、あまりにも検討終了を早く感じるようであれば、パソコンのスペックを上げるなどしなければならないともいえる。

使うメモリの量はエンジンオプションのUCT_Hash(wcsoc2020版)、UCT_NodeLimit(電竜戦2020版)で設定できる。

3.ShogiGUIは設定変更が必要

ShogiGUIで使う場合、 オプションの「棋譜解析、検討モードで指し手をすべて送る」にチェックを入れないと直ぐに探索終了してしまう(wcsoc2020版のみ、電竜戦2020版ではどちらでも見かけに変更なし)

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これは、dlshogiが過去の手順も思考の入力に使っているのに対して、オプション非適応時のShogiGUI側は現在の局面だけをエンジンに送信しているため起きると思われる。

このオプション変更が宗教上の理由で不可能な場合は、将棋所で検討すると良い。

 

 

参考

tadaoyamaoka.hatenablog.com

yaneuraou.yaneu.com